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誰のどんな願いでも叶えたかった。やさしくなりたくて、それをやさしさだと思っていたから。でもいつしか、なんでも叶えるから、見捨てないで、優しくしてって縋る気持ちになっていた。私の中はがらんどうで何もない。そこへ入れ替わり立ち替わり誰かがやってきては、お願いをしていく。私は来てくれたことが嬉しくて、なんでも叶えようと思う。人を殺してくれって言われたら?私はそれさえ叶えようとするんだろうか?するのかもしれない。事情があるんだって納得をして。恐ろしい。
その願いは、何のため?それは、世界のためになること?
横に倣えは恐ろしい。思考を止めてその欲望の行き着く先を知ろうとしないこと。
全ては私の夢の中。小さな小さな世界。